【ライティングコラム】PREP法がなぜ基本なのか?文章が下手な人は思い付きで作成する
文章を書くことが苦手な人の多くは、思い付きで文章を作成している。
しかし、そのような文章は読み手に伝わりにくく、意図が正しく理解されないことが多い。
それを防ぐために、文章作成の基本のフレームワークとして推奨されるのがPREP法だ。
PREP法を使えば、論理的で分かりやすい文章を書くことができる。発明した人はマジで凄い!
また、ビジネス上の会話でも利用できるため、ビジネスパーソン必見の内容だ!
PREP法とは?伝わらないがなくなる構文
PREP法とは、文章作成における基本的なフレームワークのことだ。
文章の校正を行っていると、この概念を知ったうえで書いているのかどうかは見ればすぐにわかる。
知らないで書いている人は大体読みずらい文章になっていることが多い。
そのぐらい「Webライターにとっては必修科目」と言っても良いほど、重要なフレームワークだ。
PREP法は、以下の4つの要素で構成されてる。
- Point(主張):伝えたい内容の中心となる主張を明確化
- Reason(理由):主張を裏付ける理由や根拠を提示
- Example(例):主張や理由を具体的な例で説明
- Point(主張):最後に再度主張を強調し、文章をまとめる
例えば、以下のような文章がPREP法を使った例である。
Point:私は、毎日30分以上運動することが健康に良いと考えている。
Reason:なぜなら、運動には心身のストレス解消、体力向上、生活習慣病予防など多くの健康効果があるからだ。
Example:実際に、私が毎日30分のジョギングを始めてから、肩こりや腰痛が改善し、風邪をひきにくくなった。
Point:従って、健康を維持するには、毎日30分以上の運動が欠かせない。
この構成を意識することで、伝わらない文章ではなくなる可能性がぐっと高まる。
一方、PREP法を使わない文章は、主張が曖昧で根拠に乏しく、具体性に欠ける。例えば、以下のような文章がある。
Point:運動不足は健康に悪影響を及ぼす。
Point:運動の重要性は誰もが認識すべき。
Reason:全ての人にとって運動は有益だ。
Point:だから、一緒に運動を始めよう。
上記の例は極端な例だが、文章を読むと意外とこのような構成になっている人は後を絶たない。
PREP法を使うことで、伝えたい内容を論理的に構成し、具体的な理由や例を示すことができる。
その結果、読み手に分かりやすく、説得力のある文章を書くことができるのだ。
PREP法がなぜ基本になるのか?
PREP法が文章作成の基本として推奨される理由は、以下の2点である。
- 人間の思考プロセスに合っている
- 人は、まず結論を知りたがる生き物である
- 要点を先に提示し、理由と例を示すことで、説得力を高められる
- 要点を再提示することで、内容を強調し、記憶に残りやすくなる
- 文章の目的を達成するのに有効である
- 文章の目的は、読み手に情報を伝え、理解してもらい、行動を促すこと
- PREP法を使えば、これらの目的を効果的に達成できる
まず、人間の思考プロセスについて見てみよう。
人間は、物事を理解する際、まず全体像を把握しようとする。
上司や先輩に「結局、何が言いたいの?」と突っ込まれている時が、まさにこのケースの典型例だ。
これはどういうこと?と全体がみえないから起こる現象だ。
そのため、文章の冒頭で要点を提示することが重要になる。
また、人間は納得できる理由があれば、主張を受け入れやすい。PREP法では、要点の後に理由を説明することで、主張の正当性を示すことができる。
例えば、女性にいきなり「私、実はカエルが好きなんよね~。」といわれたら大体の場合、「え?なんで?」という反応をするのではないだろうか?
主張に対する疑問を払拭するためには、理由が必然と必要になる。
さらに、具体例を示すことで、抽象的な概念を理解しやすくなる。
説明をしていく時に比較や事例を提示すれば、「ああ、なるほど。そういう使い方ね。」という反応が返ってきた経験はないだろうか?
これが相手が実感している瞬間だ。
最後に要点を再提示することで、内容が記憶に残りやすくなる。
最終的にもう一度結論をいうことで、相手から引き出せる言葉は「そういうことだったのね」という言葉だ
これが相手に腑に落ちたタイミングとなる。
このようにPREP法はこちら手動で相手の疑問を作り出し、解消するに持ってこいな文章のフレームワークであることが分かっただろう。
そもそもの話に戻ってしまうが、文章の目的について説明する。文章を書く目的は、大きく分けて3つある。
- 情報を伝える
- 読み手に理解してもらう
- 読み手に付加価値を得てもらう(あるいは行動に移す)
以上のように、PREP法は人間の認知の特性に合致し、文章の目的達成に役立つ構成なのである。
だからこそ、PREP法は文章作成の基本のフレームワークとなっているのだ。
よくある伝わらない経験
多くの人が、伝わらない文章に悩まされた経験があるのではないだろうか。以下の表は、よくある伝わらない文章の例とその原因をまとめたものである。
伝わらない文章の例 | 原因 |
---|---|
会議の議事録を読んでも要点が掴めない | 要点が明確でない |
メールの内容が理解できない | 理由や例が不十分 |
取扱説明書の手順が分かりにくい | 論理的な順序になっていない |
自分で書いた文章が思うように相手に伝わらない | PREP法を使っていない |
これらの伝わらない文章に共通しているのは、PREP法の何かしらの要素が欠けていることが共通項になる。
つまり、要点が明確でなかったり、理由や例が不十分だったりするだけで、内容が伝わらなくなってしまうことを示しているのだ。
実際、伝わらない文章は、読み手にとって大きな負担となる。内容を理解するのに時間がかかり、誤解を生みやすい。
また、書き手の意図が正しく伝わらないため、望んだ結果を得られないことは明白だ。
ちなみに、私は記事の構成案を作る際には、各見出しに入れて欲しい要点をPREP法を使用または変形させて箇条書きで伝えてるが、これがまた非常に評判が良い。
PREP法を使えば、伝わらない文章によるストレスから解放され、こちらの意図が伝わりやすくなる。
PREP法を使わない理由はない
ハッキリというが、論理展開をするような文章でPREP法を使わない理由は何もない。
以下に、PREP法を使うべき理由をまとめておく。
- 読み手に内容を正確に伝えられる
- 要点を冒頭で明確に提示することで、読み手は文章の主旨を素早く理解できる
- 要点を裏付ける理由や具体例を示すことで、読み手の理解を深められる
- 要点を再提示することで、読み手の記憶に残りやすくなり、内容が正確に伝わる
- 主張に説得力を持たせられる
- 要点を支持する理由を論理的に説明することで、主張の正当性を示せる
- 具体的な例を挙げることで、抽象的な概念を分かりやすく説明できる
- 説得力のある文章は、読み手の納得を得やすく、信頼関係を構築できる
- 文章の構成を最適化できる
- PREP法の4要素を意識することで、文章の構成を論理的に組み立てられる
- 要点、理由、例、再提示という流れで文章を構成することで、読み手に分かりやすい文章になる
- 文章の構成が最適化されることで、読み手に効率的に情報を伝えられる
- 書き手自身の思
- PREP法に沿って文章を組み立てることで、自分の考えを論理的に整理できる
- 要点、理由、例を考えることで、主張の根拠を明確にし、論理的な思考力を養える
- 思考が整理された文章は、読み手にとってもわかりやすく、円滑なコミュニケーションにつながる
「この文章、何が言いたいのか分からない」だったり、「ちゃんと論理的に書いてください」だったりといった指摘はされたくないはずだ。
理由は極めて単純で、方程式を使わずに数学の問題を解こうとしているのと同じぐらい愚かな行為をしているのと同義だからだ。
以上の理由から、文章作成スキルの向上を目指すなら、PREP法を習得することから始めるべきだ。
この記事の構成はすべてPREP法
さて、ここまで、ほとんどの文章をPREP法縛りで作ってきたが、いかがだっただろうか?
あなたが目次を開く人だったら、見出しでバレているかもしれないが、記事の全体の構成自体がPREP法を使用して作られている。
具体的には、以下のように構成されている。
- PREP法とは?伝わらないがなくなる構文(Point)
- PREP法がなぜ基本になるのか?(Reason)
- よくある伝わらない経験(Example)
- PREP法を使わない理由はない(Point)
本記事自体がPREP法の実例となっていることで、PREP法の有効性を示していると言えるのではないだろうか。
文章のフレームワークというのは基本的に記事のフレームワークとしても使用が可能というのも同時に覚えておくと、見出しがそもそも文章であるという概念が浮かび上がってくるはずだ。
本記事を参考に、PREP法を使って文章を書いてみて欲しい。きっと、伝わる文章が書けるし、文章を書くのに時間がかからなくなるはずだ。
「自分は文章に自身があるから大丈夫」と思っている人ほど、ろくでもない文章を作ってくることが多い。ぜひ、素直な気持ちで取り入れることを強くおすすめする。