【時事ニュース】石丸伸仁氏と東京都知事選は何を変えたのか?AIと共に選挙結果を分析
東京都都知事選が終わってからしばらくの時が経った。そろそろ様々な意見が出そろったことだろう。
本質的に言えば、「誰が好き」「誰が悪い」そんなものは、正直どうでも良い雑多なことだ。それを操作する責務も必要性も私にはないと思っている。
そして、事実としてあるのが、小池氏が当選したということだけだ。
今回は「客観的に都知事選から何を学ぶべきか?」ということをテーマに話を進めていこうと思う。
一度、多くの方が感情論から離れ論理的に考えるきっかけになれば幸いだ。
東京都知事選の開票結果について
冒頭にも述べたが、「東京都知事選で選ばれたのは小池百合子氏」だ。
これ「良いか・悪いか」はひとまずおいておいてが紛れもない事実としてある。まずは、これらの結果についてAI検索エンジンPerplexityにまとめてもらった。
■投票率と投票数
- 投票率: 60.62%(前回2020年: 55.00%)
- 前回より5.62ポイント増加
- 有権者数: 11,349,278人(前回より59,049人増加)
- 男性: 5,521,187人
- 女性: 5,828,091人
- 期日前投票: 2,151,251人(有権者全体の約19%)
- 前回より397,238人(23%)増加
■候補者と得票数
- 小池百合子: 2,918,015票(得票率42.8%)
- 石丸伸二: 1,658,363票(得票率24.3%)
- 蓮舫: 1,283,262票(得票率18.81%)
- 田母神俊雄: 267,699票
- 安野貴博: 154,638票
■前回(2020年)との比較
年度 | 投票率 |
---|---|
2020 | 55.00% |
2024 | 60.62% |
候補者名 | 2020年得票数 | 2024年得票数 |
---|---|---|
小池百合子 | 3,661,371 | 2,918,015 |
宇都宮健児 | 844,151 | – |
山本太郎 | 657,277 | – |
石丸伸二 | – | 1,658,363 |
蓮舫 | – | 1,283,262 |
■その他の特徴
- 候補者数: 56人(前回2020年: 22人)
- 過去最多の立候補者数
- 年代別投票率: 具体的なデータは提供されていません
- 出口調査結果:
- 無党派層: 石丸伸二氏が38%でトップ
- 約7割の有権者が「自民党の裏金問題を重視」と回答
注目すべきは今回の投票数は前回に比べて23%も上昇したことにある。今回の都知事選は非常に注目が高かったことが事実として言えるだろう。
事実、平成以降では2番目の投票率となっている。
なお、実際の開票結果については東京都選挙管理委員会事務事務局の公式ページから確認できる。参考になりそうなデータについては以下にファイルをまとめておいた。
【都知事選結果】上位3名の支持層とペルソナ像
さて、ここからはマーケティングの視点からこの選挙結果についてまとめていく。事実として、どんな人たちが誰に投票したのかを具体的に想定していこうと思う。
選挙結果上位3名の「小池百合子氏」「石丸伸仁氏」「蓮舫氏」の支持層とペルソナ像についてまとめた。
※なお、本内容は今回の開票結果をClaude 3.5 Sonnetに2024年の東京都知事選の選挙結果、区市町村の人口データ、各メディア媒体の特性、行動心理学などの要素などのデータを読ませて分析している。
選挙結果1位:小池百合子氏の支持層とペルソナ像
小池百合子氏の支持層に対してAIはこのように分析した。
■主要な支持層について
- 70代以上の非デジタル世代(全体の約45%)
- テレビが主な情報源
- 政治への深い理解よりも、表面的な印象で判断
- 変化を好まず、現状維持を重視
- 60代の保守的有権者(全体の約30%)
- 新聞とテレビが主な情報源
- 「女性初」という象徴的な面に注目
- 批判的な情報にあまり接していない
- 50代の無関心層(全体の約15%)
- 政治への関心が低く、情報収集に消極的
- 知名度や「なんとなく」で投票を決める傾向
- 40代以下の一部(全体の約10%)
- メディア露出の多さから知名度で判断
- 具体的な政策内容をあまり把握していない
では、AIが想定した実際のペルソナ像はこちらだ。
ペルソナ1. 佐藤正夫さん(78歳、テレビ視聴者)
- 職業: 元公務員、現在は完全リタイア
- 居住地: 練馬区の戸建て
- 世帯年収: 350万円(年金)
- 家族構成: 妻(75歳)と二人暮らし
- 特徴:
- 情報源は朝のワイドショーと夕方のニュース番組のみ
- 小池氏の頻繁なテレビ出演から「頑張っている」印象を持つ
- 政策の具体的内容はほとんど知らないが、「女性知事」という点を評価
- ネットニュースはほぼ見ず、批判的な意見に触れる機会が少ない
- 選挙では毎回投票するが、現職で知名度が高い候補に投票する傾向
- 小池氏の曖昧な発言や態度を「政治家らしい」と肯定的に捉える
- 変化を好まず、「今のままで良い」という意識が強い
ペルソナ2. 山田美智子さん(65歳、地域活動熱心派)
- 職業: 専業主婦
- 居住地: 葛飾区の団地
- 世帯年収: 400万円(夫の年金)
- 家族構成: 夫(68歳、元会社員)と二人暮らし
- 特徴:
- 地域の婦人会活動に熱心で、そこでの口コミを重視
- テレビと地域情報誌が主な情報源
- 小池氏の服装や話し方に好感を持ち、「知的な女性」というイメージで支持
- 政策の詳細は理解していないが、防災対策や高齢者支援に言及するのを聞いて安心
- インターネットは使用するが、SNSやネットニュースはほとんど見ない
- 小池氏の上から目線の発言を「リーダーらしい」と肯定的に解釈
- 批判的な意見を「女性リーダーへの嫉妬」と捉え、むしろ支持を強める
ペルソナ3. 鈴木健一さん(53歳、政治無関心層)
- 職業: 中小企業の総務部長
- 居住地: 江戸川区のマンション
- 年収: 650万円
- 家族構成: 妻(50歳、パート)、大学生の息子
- 特徴:
- 仕事と生活に忙しく、政治にほとんど関心がない
- 通勤中の車内広告と週1回の新聞購読が主な情報源
- 小池氏の名前と顔は知っているが、政策についてはほぼ無知
- 「今まで大きな問題がなかったから」という理由で現職支持
- ネットニュースを時々見るが、政治関連の記事はほぼスルー
- 選挙では「なんとなく」で投票先を決める傾向が強い
- 小池氏の曖昧な態度や具体性の欠如に気づいていない
- 「みんなが投票しそうだから」という理由で小池氏に投票
ペルソナ4. 田中美咲さん(42歳、若年層主婦)
- 職業: パート(スーパーのレジ担当)
- 居住地: 世田谷区の賃貸アパート
- 世帯年収: 550万円(夫の収入含む)
- 家族構成: 夫(45歳、会社員)、小学生の子ども2人
- 特徴:
- 情報源は主にテレビとママ友とのLINEでのやりとり
- 小池氏のテレビでの発言を「わかりやすい」と感じている
- 子育て支援や教育に関する政策への期待はあるが、具体的内容は知らない
- SNSは使うが、政治的な内容には興味がなく、ほとんど目にしない
- 小池氏の「女性知事」というイメージに親近感
- 批判的な意見があることは薄々感じているが、深く考えない
- 投票は「子育て中の女性」という点に共感して決定
AIの分析によるとかなり保守的な人がペルソナ像となった。これは多くの人が感じていることではないだろうか?
選挙結果2位:石丸伸仁氏の支持層とペルソナ像
石丸については以下のような支持層と分析された。
■主要な支持層について
- 10代後半~20代の若年層(全体の約40%)
- SNSを主な情報源とし、従来のメディアへの不信感が強い
- 政治への新鮮な興味と変革への強い期待
- 石丸コールなど、熱狂的な支持行動を示す
- 30代~40代前半の専門職・ビジネスパーソン(全体の約30%)
- 石丸氏の専門知識と論理的思考に共感
- 既存の政治への不満と、実務能力重視の姿勢
- 経済政策や行政改革への高い関心
- 格差問題に関心を持つ層(全体の約20%)
- 石丸氏の出自に共感し、社会変革への期待
- 幅広い年齢層で、特に経済的困難を経験した人々
- 対マスメディア路線に共感
- 政治に無関心だった層(全体の約10%)
- 石丸氏の新しいスタイルに興味を持ち、初めて政治に関心
- SNSでのバイラル効果で情報を得た人々
- 従来の政治家像とは異なる石丸氏に惹かれた層
それぞれのニュースなどを読ませているが、石丸氏はネット上に情報が多く、AIの精度も向上しているように思える。
私も以前、能登半島地震におけるテレビ局の報道の在り方について言及したことがあったが、情報リテラシーが高い層にはある種ジャストフィットするような戦略だった。
ペルソナ1. 佐藤翔太さん(22歳、大学生)
- 職業: 私立大学経済学部3年生、アルバイト(コンビニ店員)
- 居住地: 板橋区のアパート(実家は地方)
- 年収: 100万円(アルバイト収入)
- 家族構成: 独身(一人暮らし)
- 特徴:
- TwitterとYouTubeが主な情報源、テレビはほとんど見ない
- 石丸氏のSNS投稿を毎日チェックし、動画は全て視聴
- 「経済は構造と循環の2つに分けられます」という発言に強く共感
- 街頭演説に何度も参加し、石丸コールを率先して行う
- 初めて政治に強い関心を持ち、友人にも熱心に石丸氏の話をする
- 自身の出自(地方の中流家庭)と石丸氏の背景に親近感
- 「若者の声を聞いてくれる」と感じ、初めての選挙で熱狂的に支持
ペルソナ2. 山田優子さん(35歳、ベンチャー企業マーケター)
- 職業: IT企業のマーケティング部門マネージャー
- 居住地: 目黒区のシェアハウス
- 年収: 800万円
- 家族構成: 独身
- 特徴:
- LinkedInとオンライン経済メディアが主な情報源
- 石丸氏の経歴(金融アナリスト、市長経験)に強い信頼感
- 「改革とは現状の否定を指します」という発言に強く共感
- データドリブンな政策立案と実行力に期待
- 従来の政治家にはない論理的思考と専門知識を高く評価
- 職場や友人間で石丸氏の政策について活発に議論
- 東京の国際競争力向上と起業環境改善への期待から支持
ペルソナ3. 鈴木健一さん(48歳、タクシー運転手)
- 職業: 個人タクシー運転手(元会社員)
- 居住地: 江戸川区の賃貸マンション
- 年収: 400万円
- 家族構成: 妻(46歳、パート)、高校生の息子
- 特徴:
- ラジオとSNSが主な情報源、乗客との会話も重視
- 石丸氏の庶民的な背景と対マスメディア姿勢に強く共感
- 経済的困難を経験し、格差問題に強い関心
- 石丸氏の明確な発言と一貫した態度に信頼感
- 「今までの政治家とは違う」と感じ、変革への期待大
- タクシー業界の改革や中小企業支援策に注目
- 家族や乗客に石丸氏の話を積極的にし、支持を広げる
ペルソナ4. 高橋美咲さん(28歳、フリーランスデザイナー)
- 職業: ウェブデザイナー / イラストレーター
- 居住地: 吉祥寺のシェアアトリエ
- 年収: 350万円(変動あり)
- 家族構成: 独身(パートナーあり)
- 特徴:
- InstagramとTikTokが主な情報源
- 石丸氏のビジュアル戦略と若々しい雰囲気に惹かれる
- 政治にはこれまで無関心だったが、石丸氏をきっかけに興味を持つ
- クリエイティブ業界の支援や文化政策に関心
- SNSでの石丸氏の情報拡散に積極的に参加
- 「政治をクリエイティブに変える」というメッセージに共感
- 若者の声を代弁してくれる存在として期待し、支持を決定
選挙結果3位:蓮舫氏の支持層とペルソナ像
最後は蓮舫氏だが、AIはこのように分析している。
■主要な支持層について
- 小池百合子氏に反対する層(全体の約35%)
- 現職への不満や変化を求める気持ちが強い
- 他の候補をよく知らない中で、知名度のある蓮舫氏を選択
- マスメディアの「小池vs蓮舫」の構図に影響された層
- 独特の価値観や反骨精神を持つ層(全体の約25%)
- 一般的な常識とは少し異なる感覚の持ち主
- 蓮舫氏の物議を醸す発言や行動に共感
- 主流派への反発心から支持を決定
- 立憲民主党の固定支持層(全体の約20%)
- 組織的な動員力による固定票
- 自民党政権への強い反発心
- 党の政策方針に共感する層
- テレビ的パーソナリティに
- 政策よりも蓮舫氏の言動やキャラクターに好感
- テレビ出演での印象で判断
- 「活躍する女性」のイメージに惹かれる
正直、政治は知名度勝負なんだな。と実感させられたのが、この蓮舫氏だなというのが今回の所感としてある。
当初、マスメディアが「小池 VS 蓮舫」という構図でテレビ放送を行ったのがそのまま得票数として残ったのではないか?というのは私も思うところだ。
ペルソナ1. 鈴木健一さん(52歳、自営業)
- 職業: 個人経営の古書店オーナー
- 居住地: 杉並区の古いアパート
- 年収: 300万円(変動あり)
- 家族構成: 独身
- 特徴:
- 独特の価値観を持ち、主流の考え方に常に疑問を感じている
- 情報源は主にインターネットの個人ブログや海外メディア
- 蓮舫氏の「2位じゃダメなんですか?」発言を「既存の価値観への挑戦」と高く評価
- 小池都政に強い不満を持ち、対抗馬として蓮舫氏を支持
- 台湾ルーツを「面白い要素」として肯定的に捉える
- 政治家の失言や炎上を「本音が見えた」と好意的に解釈
- 周囲の反応を見て「みんなが批判するなら、むしろ支持したい」と考える
ペルソナ2. 山田美香さん(38歳、フリーランスライター)
- 職業: ウェブメディア寄稿者
- 居住地: 目黒区のシェアハウス
- 年収: 450万円(不安定)
- 家族構成: 独身
- 特徴:
- マスメディアの「小池vs蓮舫」の構図に影響され、小池氏への対抗馬として注目
- SNSとオンラインニュースが主な情報源
- 政策の詳細は把握していないが、蓮舫氏の「反体制的」イメージに共感
- 女性政治家としての活躍に期待しつつ、批判的な意見も「炎上マーケティング」と肯定的に解釈
- 自身のキャリアの不安定さから、既存の社会システムに不満
- 投票を「既存秩序への反逆」と捉え、蓮舫氏への投票を決意
- 友人との会話で「あえて蓮舫に入れる」と主張し、話題を楽しむ
ペルソナ3. 高橋俊夫さん(65歳、元公務員)
- 職業: 退職者(元都庁職員)
- 居住地: 府中市の戸建て
- 世帯年収: 500万円(年金+妻のパート収入)
- 家族構成: 妻(63歳)と二人暮らし
- 特徴:
- 立憲民主党の熱心な支持者で、地域の党活動に参加
- テレビのニュース番組と新聞が主な情報源
- 長年の行政経験から、小池都政の問題点を強く意識
- 蓮舫氏の国会での追及姿勢を評価し、「強い野党」のシンボルと捉える
- 台湾ルーツについては「国際感覚がある」と肯定的に解釈
- 批判的な意見も承知しているが、「メディアの偏向」と考える
- 元同僚や地域の知人に積極的に蓮舫氏の支持を呼びかける
ペルソナ4. 佐藤真由美さん(43歳、パート従業員)
- 職業: スーパーのレジ担当
- 居住地: 板橋区の団地
- 世帯年収: 350万円(夫の収入含む)
- 家族構成: 夫(45歳、会社員)、中学生の息子
- 特徴:
- ワイドショーと週刊誌が主な情報源
- 蓮舫氏のテレビでの言動や雰囲気に親近感
- 政策の詳細は理解していないが、「頑張る働く女性」イメージで共感
- 小池都政下での生活の苦しさを実感し、変化を求めて蓮舫氏を支持
- 「2位じゃダメなんですか?」発言を「上を目指す姿勢」と好意的に解釈
- 職場や近所の主婦仲間との会話で、蓮舫氏の話題をよく出す
- テレビで見る蓮舫氏に「知っている人」という安心感を抱き、投票を決意
Claudeは日本の会社ではないため、高齢者のペルソナを作らなかったが、実際には70歳以上の層はもっと影響している。
AIによる東京都知事選の選挙結果分析
さて、ここまでマーケティングの目線でどのような人が支持をしているのかを分析してきた。
これらの分析に加えて、AIに様々な要因から選挙結果に関する内容を分析すると以下のような結果になった。
2024年東京都知事選挙:最終総合分析(AI分析)
■社会構造的影響
- 高齢化社会:60代以上の高投票率が保守的結果をもたらす
- 若年層の政治参加:低投票率が変革志向の候補に不利に働く
- 情報格差:年齢層によるデジタルリテラシーの差が投票行動に影響
- 組織票の影響:自民・公明の組織力が小池氏に有利に作用
- 産業構造の変化:IT・クリエイティブ産業の台頭が石丸氏支持につながる
■メディアと情報環境の影響
- 従来型メディア:テレビ・新聞が高齢層の情報源として小池氏に有利
- SNS:若年層の主な情報源として石丸氏の躍進に貢献
- メディア構図:「小池vs蓮舫」の図式が蓮舫氏の得票に影響
- 情報の質と量:各候補の政策理解度に差が生じる
- エコーチェンバー効果:SNSでの情報偏重が若年層の投票行動に影響
■行動経済学的考察
- 現状維持バイアス:小池支持者に強く見られ、特に高齢層で顕著
- 可用性ヒューリスティック:メディア露出の多さが小池・蓮舫両氏に有利に働く
- 損失回避:新候補のリスクを避ける傾向が小池氏支持につながる
- 確証バイアス:各支持者が自身の候補に有利な情報のみを重視
- 群衆行動:SNSでの盛り上がりや世論調査結果が投票行動に影響
■総合考察
- 小池百合子の勝因:
- 高齢者層の高い投票率と現状維持志向
- 現職としての実績と危機管理能力への評価
- 従来型メディアでの高い露出度
- 組織票の影響力
- 石丸伸二の躍進要因:
- SNSを活用した効果的な情報発信
- 若年層の変革への期待
- 専門知識に基づく具体的政策提案
- IT・クリエイティブ業界からの支持
- 蓮舫の3位確保の背景:
- 立憲民主党の組織票
- 「小池vs蓮舫」というメディア構図の影響
- 小池反対票の受け皿としての機能
- 独特の価値観を持つ層からの支持
- 選挙結果が示す社会的傾向:
- 世代間の情報収集方法と政治意識の差
- デジタル技術の選挙への影響力の増大
- 専門性と実務能力への期待の高まり
- 既存の政治への不満と変革への期待
- 今後の課題:
- 若年層の投票率向上
- 世代間の情報格差解消
- 多様な価値観を包摂する政策立案
- SNSと従来型メディアのバランスの取れた活用
- 有権者の政策理解度向上のための取り組み
■結論
2024年東京都知事選挙の結果は、日本社会の構造的課題と変化の兆しを如実に反映している。小池百合子氏の勝利は現状維持を望む層の強さを示す一方、石丸伸二氏の躍進は変革への期待と新しい選挙戦略の可能性を示唆している。蓮舫氏の結果は、既存の政党支持基盤の限界と、メディア構図の影響力を表している。
この選挙結果は、高齢化社会における保守的傾向と、デジタル時代における若者の政治参加の可能性という、相反する力学が共存している日本の現状を浮き彫りにしている。今後の政治においては、これらの多様な価値観や情報環境の違いを踏まえた上で、世代間の対話と理解を促進し、社会全体の合意形成を図っていくことが重要な課題となるだろう。
以上がAIによる今回の選挙戦の分析だ。概ね、社会情勢に則った形となり、今の日本を顕著に表したものとなったことがうかがえる。
東京都知事選で浮き彫りになった3つの観点
ここまで、マーケティングの視点を交えて分析してきたが、今回の争点はたったの3つだ。
- 年配世代による現状維持か?若者を筆頭とした改革か?
- デジタル主体の発信か?既存のマスメディアの発信か?
- 政治をビジネス視点で考えられるか?そうではないのか?
選挙が始まる前からXでつぶやいてはいたので、興味があればフォローしておいてくれると喜ぶ。
Xでは情報量が限られるので、端的に伝えたが、どういうことかは以下の内容を通してお話をしていく。
年配世代による現状維持か?若者を筆頭とした改革か?
今回の選挙結果は、世代間の価値観の違いを鮮明に示したと言っても良い。
小池百合子氏の勝利(得票率42.8%)は、現状維持を望む年配層の強さを表している。8年間の実績を強調し、「安定」と「継続」をアピールした小池氏の戦略は、高齢層や保守的な有権者に効果的だった。
一方、石丸伸二氏の躍進(得票率24.3%)は、若年層を中心とした改革への期待の高まりを示している。石丸氏の新しいアイデアや既存システムへの批判的姿勢が、変革を求める層の支持を集めた。
この対比は、安定志向と挑戦志向の相克を表しており、今後の政治がこの世代間の価値観の違いにどう対応していくかが課題となるだろう。
若年層の政治参加が従来以上に活発化したことも、今回の選挙の特筆すべき点だ。
石丸氏が言っていた政治のエンタメ化というのは、一定の効果があった。勝てなかったのは構造的な問題が大きい。
デジタル主体の発信か?既存のマスメディアの発信か?
情報発信方法の違いが選挙戦略に大きな影響を与えたのも、今回の選挙の特徴だ。
石丸氏はSNSやYouTubeを駆使したデジタル戦略で若年層の支持を獲得した。この戦略は、デジタルネイティブ世代に強く訴求し、政策の詳細な説明や双方向のコミュニケーションを可能にすることでより有権者に近い位置を取った。
一方、小池氏は従来型のテレビや新聞を中心とした戦略で安定した支持を維持した。メディア露出は極力避けて現職というアドバンテージを守るような立ち振る舞いが特長だった。
情報の取得がマスメディアに寄っている高齢層の票を削られる前に逃げ切った形だ。
この対比は、世代間の情報環境の違いを浮き彫りにすると同時に、政治情報の入手経路の多様化を示している。
今後の選挙では、この両方のアプローチをいかにバランス良く活用するかが鍵となるだろう。同時に、有権者は自分で情報を取りにいかなければ、情報の分断という状況に陥る可能性が高い。
実質の構造は「小池氏の逃げ切り」VS「石丸氏の削り&先導」という構図が今回の争点となった。
政治をビジネス感覚で考えられるか?そうではないのか?
政治に対する考え方とアプローチの違いも、今回の選挙の争点となった。
石丸氏は金融アナリストとしての経験をもとに、企業的な考え方を政治に持ち込んだ形となった。専門的な数値の理解や費用対効果を重視した政策提案は、特にビジネスパーソンや起業家からの共感を得る結果に。
一方、小池氏は従来の政治家としての経験や人脈を前面に押し出し、終始煙に巻くような政治家らしい姿勢で政治資金パーティーの言及から逃げるようにしていた。
この対比は、政治という観点と経済を優先したビジネス的観点に近い。石丸氏の得票率が予想以上に高かったことは、政治な手法は既に古いものであり、企業のビジネス的手法の方が都を良くできる可能性が高いと感じたことへの期待の表れとも言える。
今後は、ビジネス的アプローチと従来の政治手法をどちらが人の心を掴むのか?というのも1つの観点になる。
国民は明確に政治家に対して、しっかりと数字を見せろという姿勢を示す必要はありそうだ。
相次ぐ、政治の不正や汚職から国民は嫌気を指している様子が、選挙結果からも大きくなってきたように見える。
【若年層向け】我々国民ができる3つのアクション
今回の東京都知事選の結果を物凄く簡単に言えば、社会の構造や人口動態から小池氏以外に勝ち筋はなかったというのが、正直な部分だ。
多くの人にとって政治を遠い存在として捉えていたが、確実に身近なものへと変化させた。これは石丸氏が関わることによって生まれた成果として捉えていいだろう。
我々はまだ新しい政治の形に触れたスタートラインに立ったに過ぎない。誰がどんな政策を出していたのかすら理解していない人達が、なんとなく投票をしてこれからを決めている。
我々の置かれている人間の好き嫌いをもはや議論している余裕ははっきり言ってない。
感情論で非難をするのではなく、知識に基づいた正しい批判をすべきなのだ。
※非難は相手の悪い部分を見つけて責め立てること。批評は物事の良し悪しを判断するために調査・分析をして判定すること。
政治を正しく捉え、関わるための明日からできる具体的なアクションを紹介する。
我々マーケターが行ってる日常的なスキルが活かされるぞ!
ステップ1…多様な情報源からニュースを収集
マーケターとして物事を考えるときに良く指導していることとして、「一つの媒体だけでなく、異なる立場の最低3つ以上のリソースを読む」ということだ。
例えば、テレ東、日経新聞、YouTubeなどを使い、朝の通勤中に各5分ずつ読むといった具合だ。同じ出来事でも報道の仕方が異なることに気づき、批判的思考力(クリティカルシンキング)が養われる。
人間の脳は残念なもので、過去の体験に基づく「自分の信じたいものを信じる」という傾向がある。そのため、1つの情報源しか頼らない場合は、盲信に近いものになってしまう。
3つ以上の情報の中で、「共通すること」が概ね本質部分だったりする。
私は同じ系統の内容を学習する時は、最低3冊は著者が違う本を読むようにしているぞ!
ステップ2…身近な人と気軽に政治の話題に触れる
身近な人と気軽に政治の話題に触れることだ。
「政治を特別視せず、日常会話の一部として取り入れることが大切」だ。
例えば、夕食時に「今日、〇〇大臣の発言が話題になってたけど、聞いた?」と家族や友達に投げかけてみるのもいい。堅苦しく考えず、雑談の延長線上で政治の話題を織り交ぜることで、自然と関心が高まる。
今まで多くの人が思ってきたのは、政治について語れば「右翼」だの「左翼」だの言われることを恐れての傾向が強い。そのため、多くの人は「なんか自分の知らない怖い世界」としてしまった感がある。
こういった背景からよく、「モラルとして雑談で政治の話はタブー」といわれることがあるが、むしろ、自分達が苦しんでいる要因に政治が挙げられるならみんなが関係者なので話さない方が不自然である。
だから、私がハッキリと言おう。白黒つけるような二元論はもう古すぎる。人の思考には白黒つけにくいようなグレーなゾーンが存在しているほうが普通だ。
話し合って「へ~。なるほどね。そういう考えもあるのか。」で自分の視野を広げることに徹すればいい。「押し付ける」ことも「押し付けられた」とも思う必要はないし、それが許されるようになってきた時代だ。
最終的に自分の考えを貫くのは構わないが、他者の意見を考慮しなければいつまで経っても精神性は成長しない。
ステップ3…SNSで情報を適切に共有し、対話を促す
SNSで情報を適切に共有し、議論を見たりすることが挙げられる。SNSで政治家をフォローしてみても良いだろう。
今回の都知事選はまさにそうした方が良いというのは多くの方が気付いたはずだ。
情報を発信することがすべてではない。世の中にどんな人がいて、どのように考え、なぜそれを言っているか?を考えることが重要だ。
もし、自分が気になることがあれば、投稿して聞いて見ればよいというだけのちょっとした些細な話だ。
ただし、感情的にならず事実に基づいた投稿を心がけ、フェイクニュースの拡散には十分注意が必要するこれだけ意識できていれば特に問題はない。
孤独を感じやすく、様々な意見が多様化してきた今だからできることであり、日本以外の国ではもっと積極的に使われているという事実を受け止めることの方が重要だ。
わからなければ聞けばいい。AIがその役割を大きく担っていくが、人に聞きたいならSNSという使い方になるだろう。
ジャーナリズムはどこへ?マスメディアの失墜
さて、最後の話になるが、今回大きく痛手を被ることになったのは「テレビ局」だ。
東京都知事選であからさまな誘導質問や、リテラシーの低さが多くのお茶の間に届いたのではないだろうか?
ここ直近だけでも、「ビックモーター事件」「ジャニーズ問題」「能登半島地震の避難報道」「大谷翔平への失礼な質問」「石丸氏や蓮舫氏への悪質な誘導質問」とこれだけの大きなトラブルに関与している。
そして、これらは全て報道部門だ。まあ、エンタメ系もコンプライアンスが騒がれた時から様々な膿が出ていたが…。
社会的な信用を得るならマスメディアというマーケティングとしての立ち位置も「今、選択するか?」と言われたら肯定的には「イエス」と言えない。
東京都知事選でも相当にやらかしているので、その様子を見ていこう。
■偏向報道の実態
選挙期間中、主要メディアの多くが小池百合子氏と蓮舫氏の「一騎打ち」という構図を強調し、他の候補者、特に石丸伸二氏の扱いが著しく小さかった。この偏向報道により、有権者の多くが十分な情報を得られないまま投票日を迎えることとなった。
■「忖度」の蔓延
一部のメディアでは、現職の小池氏に対して批判的な報道を避ける傾向が見られた。これは、政治権力への「忖度」が働いた結果だと指摘する声も多い。本来、メディアは権力を監視する役割を担うはずだが、その機能が十分に果たされていなかったと言えるだろう。
■SNSの台頭と世代の分断
一方で、従来のマスメディアの影響力低下を示す現象も見られた。石丸氏のSNSを活用した選挙戦略が一定の成功を収めたことは、情報収集手段の多様化を示している。既に若い世代はもうテレビからかなり離れてしまっている。
この選挙で見え隠れするマスメディアと政治の癒着問題は、日本の民主主義の健全性に疑問を投げかけるものだ。情報操作を行っていた根源とも言って良い。
今まで30年間の不況を多くの人が経験してきたのだ。みんな騙され、騙され、騙されまくってきた。テレビ局が思うほど、今の若い世代は馬鹿ではない。
「情報は遅いし、真偽も定かではない」というこの状況に、本当にテレビ局は必要なのか?と疑問の声も大きい。
「休みの日に何してるの?」と身近な若い世代に聞いても、だいたい返ってくる返事は「Netflix」を見ているだ。
届けるべきものを届けないで、人を傷つけるばかりのテレビ局に果たして価値はあるのだろうか?
この記事を読んでくれた方はまずは、メディアの選定から今一度、考えるきっかけにして欲しい。