【時事ニュース】令和6年能登半島地震から見るテレビ報道の姿を徹底分析
2024年が始まってすぐ元旦に発生した能登半島地震。
私の住む地域も、地震の影響で自宅にある熱帯魚の水槽の水が溢れそうなぐらい揺れていた。
このブログを立ち上げたばかりで作業中だったが、急ぎYouTubeで報道機関のLive配信情報を見に行くぐらい注視していたものだ。
おめでたいムードの中、突然襲った災害。
被災された方の無事と日常にいち早く戻れることをただ願う。
今回は令和6年能登半島地震のライブ放送で気になったテレビ局の報道の在り方について言及していこうと思う。個人的見解を多分に含むことはご了承ください。
令和6年能登半島地震の概要
令和6年能登半島地震は、2024年1月1日16時10分に石川県能登地方でマグニチュード7.6(暫定値)で発生した。
地震活動が3年以上続いており、最大震度7を観測したほか、北海道から九州地方にかけて震度6強から1の揺れが観測。
最大5Ⅿの大津波警報が発表され、津波の被害に備えるよう呼びかけられてた。現在は津波に関する警報は解除されている。
地震活動は現在も続いており、引き続き注意が必要な状況だ。今後の情報については気象庁のHPを参照するようにして欲しい⇒気象庁HP
以下に気象庁から出されている地震の概要を貼っておく。
地震の概要 | |
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検知時刻 (最初に地震を検知した時刻) | 1月1日16時10分 |
発生時刻 (地震が発生した時刻) | 1月1日16時10分 |
マグニチュード | 7.6(暫定値) |
発生場所 | 石川県能登地方(輪島の東北東30km付近) 深さ 16km(暫定値;速報値 ごく浅いから更新) |
発震機構 | 北西―南東方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報) |
震度 | 【最大震度7】石川県の志賀町(しかまち)で震度7を観測したほか、北海道から九州地方にかけて震度6強~1を観測 |
地震活動の状況 1日21時00分現在 | 16時以降、震度1以上を観測した地震が59回発生(震度7:1回 震度5強:3回 震度5弱:5回 震度4:14回 震度3:28回 震度2:8回) |
長周期地震動の観測状況 | 石川県能登で長周期地震動階級4を観測 |
津波警報等の発表状況(1月1日20時30分発表) | |
津波警報 | 山形県 新潟県上中下越 佐渡 富山県 石川県能登 石川県加賀 福井県 兵庫県北部 |
津波注意報 | 北海道太平洋沿岸西部 北海道日本海沿岸北部 北海道日本海沿岸南部 青森県日本海沿岸 秋田県 京都府 鳥取県 島根県出雲・石見 隠岐 山口県日本海沿岸 福岡県日本海沿岸 佐賀県北部 壱岐・対馬 |
今回の地震では、多くの建物の倒壊や地割れ、火災の発生という被害が見られている。
しかし、1夜経ったばかりで、被害状況についての詳細やメカニズムについては現段階では分かっていない。
テレビ報道のエゴイズム
いきなり、本題に入るが地震発生後のLive放送で特に気になったことはテレビ報道のエゴイズムだ。
もちろん、お正月でのんびりしている時に、このような緊急事態が発生したことで、休み返上で報道してくれていることに関しては、感謝の意を述べるべきことだと思う。
しかし、地震直後の報道ではテレビ局のエゴイズムがとても目立つような印象を受けた。
このエゴイズムというのは、端的にいえば「我々が情報を届けなければ」という正義感に起因するものであると筆者は分析している。
最も問題に感じていることは「誰に何のために報道したいのか?」というのが伝わってこなかったことだ。
メディアの性質として、大衆向けに作らなければならないのは確かに仕方のない部分があるが「緊急性のある被災者に届けたいのか」「心配する視聴者に届けしたいのか」という点がハッキリと伝わってこなかった。
地震発生直後の場合であれば、最も情報を届けるべき相手は「被災者」だ。
そのためにテレビ局が対象を偏った報道をしても視聴者は誰も文句はいわないだろう。
この点において「正義感が我々が報道する」に全振りされてしまっていたのではないだろうか?
以上のことから、テレビ報道のエゴイズムであるといわざるを得ないと分析をした。
マーケ目線でいえば、誰に何のためにどのような伝え方をすることのが重要だ。
報道エゴイズムの代表的な発言例
今回の地震報道では明らかに評価すべきテレビ局は分かれたように思える。
良くない報道をしたテレビ局を名指しで否定するつもりはないので、名前は出さないでおくが、明らかに過剰な煽りともとられて、おかしくない場面が多分に見られた。
代表的な発言としては以下のようなものが該当する。
➀「津波がきます、逃げてください」をひたすら連呼。
②「テレビ局のような正しい情報を手に入れてください」という被災者の状況を考えない発言。
③「気象庁の人を問い詰める」ような質問の仕方。
一番、不安に思っているのは誰だろうか?それはどう考えても「被災者」だ。
停電が起こっている状況でテレビを果たして見れるのだろうか?実際はなんとか情報を手にしなければならない状況のはずだ。
今回の地震は誰が悪いのだろうか?自然災害に対して誰が悪いもないのだ。
そして、このような煽りと取られても仕方のない部分に関して切り抜かれてYouTube上では消されているのが現状としてある。
さらにいえば、報道に視聴者のコメント欄は必要なのだろうか?
事実として、面白がっているだけの心無い視聴者がひどい発言をしている場面もかなりみられた。
これらから報道が「自分が、自分がという下らない正義感」で「被災者」を向いていないという状況は明白だろう。
評価すべき報道はNHK
これらの状況踏まえて「評価すべきテレビ局はNHK」だった。
NHKの好き嫌いは一度置いておいてもらって、NHKは終始落ち着いた報道をしていた。
最もキーとして注視視すべき点は「被災者の心理」であることは明白である。
実際にテレビを見ている人だけをエンタメのように楽しませるのであれば、誰かを悪者にしたり、現状の危機感を煽った方が確かにマーケ目線でも効果的なのは否めない。
しかし、ことは人命にかかわる話だ。
震災のおいて、危機感や不安を感じている人達は被災者であるという前提があれば、このことを外すわけがない。
何かトラブルが発生して心理的に焦ったり、不安を感じている状況。
この時に、「早く解決してくれ」といわれるのと「落ち着いて現状を整理して1つずつ処理していこう」といわれるのどちらが良いだろうか?
へそ曲がりな人以外は、「まずは一度落ち着こう」といわれた方が気持ち的には楽になるのではないだろうか?
NHKは終始、このことを意識できていたのか、フォーマットで確立していたのか、安定的に被災者を落ち着かせ、次の行動へ移せるように報道を続けられていた。
煽るような報道をしてしまったテレビ局はNHKの報道を見習うべきじゃないかな?というのが私の考えだ。
テレビ局に対する私の願い
今回は報道というジャンルで話を取り上げたが、正直テレビ局に物申したいことは山ほどある。
私もなんだかんだでメディアを取り扱う身。演出の重要性やマーケティング観点から数字が出やすいことも重々理解している。
だからこそ、テレビ局という驕りを一度手放して再構築すべきタイミングであるというのが強くいいたい。
ジャニーズ問題しかり、ビックモーター問題しかり、これまで自分達の都合で情報を捻じ曲げてきたという背景。
癒着や広告を流しまくって、状況が変わったタイミングで手のひら返しして報じている。
このような自分達に都合の良いポジションで情報を絞っていることを視聴者も理解してきている。
こういったことが続いて、もはやテレビの信用は既に瓦解し始めているのだ。
自分達のビジョンやスタンス、ケース別の対象者など、番組ごとではなくテレビ局として整理し、再構築することを期待している。