【SEO中級】NavBoost(Glue)とは?UI/UX最優先に傾くのか?|Google機密情報漏洩
Google機密文書がGithubに公開されたことを発端に、2024年5月初頭にRand Fishkin氏によって共有されたことから大きな激震がSEO業界に訪れている。
結論から言えば、今まで良く行われていた「キーワードハック」的なSEOはもはや古いということが証明されたわけだ。
私自身はキーワードハックなSEOに対して、ずっと「あまり意味ない」というスタンスを取ってきたわけだが、それがGoogleの機密文書からシステムを読み解くと浮き彫りになっている。
コンテンツSEOについての概要はこちら⇒【SEO初級】コンテンツSEOとは?王道SEO施策を現役コンテンツマーケターがわかりやすく解説
NavBoost(Glue)とは?
冒頭から何度も出しているワードである「NavBoost(Glue)」について簡単に説明していこうと思う。
NavBoost(Glue)とは、Googleの検索結果に影響を与える検索ランキングシステムの1つのことだ。
具体的には過去13か月間のクエリに対する「クリックデータ」や「エンゲージメント時間」などのユーザー行動を計測し、良い数字が出ていれば上位にランキングを上昇させ、悪い数字がでていればランキングを下げるアルゴリズムをつかさどっているシステムだ。
自身でブログサイトを運営していたり、メディアのSEOに関わっているものであれば、自然とユーザー行動が重視されていることは分かるのだが、それが明確にシグナルとして存在することが明らかになった。
物凄くわかりやすく言えば、どのタイトルのページが検索結果上でクリックされて、入ったページの滞在時間や次の行動のために何をクリックしたのか?それとも離脱したのか?再検索をしたのか?などがみられているわけだ。
※よく混同されるが、このシグナルは記事の中に入ってからの行動ではなく、Googleの検索結果画面上での行動結果を見ているものだぞ。主にChromeのデータを利用している。
つまり、間接的に記事にどのくらいいたのか?戻ってきて再検索していないか?などを見ているということになる。
ラストクリックなどの指標も存在して、あなたの記事が最後に見られたものであれば良いというわけだ。
このように、NavBoost(Glue)の存在は、記事の量をたくさん書けばいいわけでも、キーワードを大量に埋め込めばいいわけではないことを間接的に証明している。
めちゃくちゃ端的にまとめると、「ユーザーが魅力的だと感じて、満足して全部読んで、そのページしたいことを満たせればOK」という話になる。
キーワードハック的なSEOをしていた業者やライター、事業者などのやり方がそもそも違うよね。というぐらいのインパクトがある内容。
NavBoost(Glue)の効果を得るためには?
NavBoost(Glue)の効果を最大限に得るためには、まず既存の検索結果にない目新しいコンテンツ要素を入れていく必要がある。
そのために、必要なキーワードを最低限抽出して、残りはキーワードマップ上からユーザーが欲しそうなものを選んでいく。
オペレーティングな上位記事だけを見て真似して、一部変えるというようなコンテンツをこれで避けることができる。
端的に言えば、検索結果にないキーワードの枠組みを作るというわけだ。
分かりやすいところでいえば、「メリット」「デメリット」のような枠組みを「魅力」「しんどさ」のようなワードを使って代替えする。あるいは、仕事の話の中に、例としてスポーツの話を入れるみたいな感じだ。
「ジャンルから引っ張ってくる」「リフレーミングする」「立場を入れ替えて視点を変える」などの方法で枠組みを変えていく。
そういう内容を記事に盛り込むことで、Googleの検索結果の初動でいきなり上位に表示をしてくれたりすることがあるのだ。
上げてみた結果、反応が良くなければ順位は下げられるし、良かったらそのまま上位に固定されることが多い。ここで下がってしまっても、心配することはない。あくまで最初にGoogleが短期間でちょっとお試しをしただけだ。
ここから先は、下がってしまった記事に流入する導線を作り、滞在時間を改良すると徐々に上がっていく。(これはNavBoost(Glue)ではなく恐らく別のアルゴリズム)
多分、Googleアナリティクスのデータを使用している。
NavBoost(Glue)の効果実感の具体的な内容
NavBoost(Glue)を本格的に体感することになるのが、この徐々に上がったケースだ。
最初のうちは、3位ぐらいに表示されるが、他の上位記事で離脱した人が、自分のサイトに回ってきてラストクリックになったり、CTRが高かったりすると徐々に順位を上げていく。
この状態で無理にリライトなどをする必要なく、3カ月ぐらい放置しておくのが良い。実際には、以下のように変動していく。
- 検索結果として表れる初動は遅めの動き出し
- 内部リンクやSNSなどの流入によって実データを取得させる
- Googleアナリティクス上のページ滞在時間が長めの指標となる
- 上位の滞在時間と同じまたは長くなると徐々に順位上昇
- 1位取得後、長期に渡ってランキング1位を占拠する
この動きを理解できていれば、そこそこの規模のアフィリエイトサイトぐらいなら個人ブログで抜くこともさほど難しくない。
実際に、ページ滞在時間がどのくらいなのよ?という話が出るかもしれないが、これは書いているジャンルによって若干異なるので、一応、私が個人でやっているサイトの指標をここに出しておこうと思う。
法人・個人問わず、2分前後のページ滞在時間があれば、徐々に上がってくるというのを私は1つの指標にして記事制作を行うようにしている。
これを言うとページ滞在時間を長くするなら記事を長くした方がいいんじゃない?みたいなアホな発想をする人が一定数いるが、実際はわかりやすく書いたり、図解を入れたり、箇条書きや表で理解を促して「ゆっくりじっくり読んでもらう」ということをした方が効果がある。
むしろ、今回の情報流出の中に長文コンテンツは途中から評価されない旨の内容も入っていたため、謝った施策であることも明白だ。
これからのSEOはユーザー行動を優先せよ!
将来、我々はどのようなことに意識を向けてSEOをしていくかという内容に触れるためだ。端的にいえば以下の3つが重要になる。
- UI/UXを交えたユーザー行動の改善・促進
- 内部リンクを利用したコンテンツへの流入経路の確保
- 短文コンテンツによる複数記事における網羅性
他にもページスピードなんかも挙げられるが、これは既出で周知な内容なので割愛している。また、これらは前提としてスマホページに基準を合わせるべきだ。
※Googleは公式にパソコン用Googlebotによるクロールを2024年7月5日以降に完全にやめることを明言している。(今回の内部情報流出でGoogleの公表は本当かどうか怪しいとバレたが…。)
話が若干逸れてしまったが、なぜこの3つが重要なのか?という話だが、これは私の実体験が既に証明している。
簡単にいえば、ユーザー行動の改善には「サイトの使い勝手」を改善すればいい。
いくら文字を詰め込もうが、SEOのキーワードを入れようが、使い勝手は良くならない。だから、UI・UXが重要となり、サイトにおける根本が最終的に強いサイトを作ることにつながる。
そして、それを実現するためには内部リンクの構造を整えるほかにない。
内部リンクが整って何ページも連続してみるのであれば、長文コンテンツである必要はなく、1つのキーワードに対して明確に回答して、別の記事で新たなニーズにつないであげればいいという話になる。
むしろ、長文コンテンツはすべて読み終わるのに時間がかかり、結果として途中で離脱。決して良い指標にはならないというわけだ。
このサイト理屈を見事に体現しているサイトの代表例が「マイベスト」だ。
まとめると、今後のコンテンツSEOは「ECサイト的なオウンドメディア」を構築することが最も近道であると私は考えている。