【マーケ転職】未経験からWebマーケティング職の転職は厳しい?現役の採用担当者が解説
Webマーケティング職の転職は実はめちゃくちゃ難しいというのが私の所感だ。
私自身もWebマーケターとして転職を経験してきて、現在は事業会社の最終面接をやっている。
さらに、転職エージェントの裏側も知っており、ある意味では転職のエキスパートだ。
そんな経緯を持つ私が「こんな人は絶対に採用しない」といった目線からWebマーケティング職の転職市場の動向も合わせて、どうやってWebマーケティング職に転職すべきかについて言及していく。
Webマーケティング職はやめとくべきなのか?⇒【マーケ初心者】Webマーケティングはやめとけ?理由を現役マーケターが徹底考察!
未経験からWebマーケターの転職は覚悟が必要
先に結論から入らせてもらうと、Webマーケティング職に就きたいのであれば、相当覚悟して挑まないとかなり厳しい。
これはWebマーケターの採用をやっている経験と実際の業務ですぐにやめる未経験の2軸に加えて、転職エージェントの裏側から聞く3つの側面からかなり覚悟して転職活動をしないという意見が一致からだ。
まず、求職者のレベルがかなり低い。これは自分の勤めている会社だけでなく、転職エージェント側の意見も同様だ。
そもそも、面接を受けにきて企業がどんなマーケティング施策を打っているのかすら理解していない。Webマーケティング職は情報収集は命といって良いぐらいのスキルにも関わらず、それができていない。
シンプルな話、お試し感覚で転職しようとしている人が多い。
Webマーケティング職が厳しい理由は後述するが、IT業界自体が「IQテスト」を導入したり、頭の良し悪しをかなり気にする業界だ。事実、学歴フィルターも存在する。
GMARCHレベルで最低ライン、国公立・早慶上智なら普通。ぐらいのイメージ感だ。また、高校の偏差値もかなりみられている。
Webマーケティングスクールなんかも流行っているが、転職支援付きでなければ、普通にこのラインで落とされる。とはいえ、書類をみれば「頭良いのか、悪いのか」ぐらいはすぐにわかるので、戦略を練っておけば通るのもまた事実としてある。
まさに、「Webマーケティングの思考で内定を取れば問題ない」というわけだ。
履歴書・職務経歴書、面接対策すべてしっかりと準備して、仕事内容はばっちり把握、企業の情報を隅々まで調べて受けるぐらいの覚悟は最低必要だ。
本気でWebマーケティングをしたいなら別に難しいハードルではないと私は思うが…。
完全未経験でWebマーケティング職が厳しい理由
実際の求職者の様子から採用担当の目線として、未経験でWebマーケティング職の転職が厳しい理由について述べていく。
未経験者がWebマーケティング職の転職が厳しい理由は以下の通りだ。
- Webマーケティングの専門スキルが難しい
- Webマーケティングは転職希望者が多い
- Webマーケティングは求人の枠がそもそも少ない
- Webマーケティング職は求められるレベルが高い
Webマーケティングの専門スキルが難しい
Webマーケティングは多岐にわたる専門知識が求められる。未経験者にはこのスキルを身につけるのが厳しいことが多い。
Webマーケティングと一括りに言っても、SEO、リスティング広告、コンテンツマーケティング、SNSマーケティング、アクセス分析など、様々な分野があり、それぞれに専門的な知識やスキルが必要となる。
これらのスキルを習得しようとすると、かなり時間を要する。
しかし、ビジネスの現場はスピードが命のため、せっかく入社したものの付いてこれずに挫折する可能性が高く、採用担当者も慎重にならざるを得ない。
近年では特にデジタルマーケティングの進化が加速しており、常に新しい知識や技術を学び続ける必要がある。
そのため、スクールなどでWebマーケティングの基礎的な知識を付けただけでは、現場レベルで使い物にならず、迫りくる新情報に押しつぶされているような状態だ。
クリエイティブ領域なんかは抽象的なものも多く、混乱して思考放棄でやめてしまう。
Webマーケティングは転職希望者が多い
実際、Webマーケティングは人気がある職種で、多くの求職者が応募している状況だ。
そのため、未経験者にとって非常に高い競争率になっている。しかし、Webマーケティングの需要が高まっている一方で、経験豊富な人材は不足している。
Webマーケティング会社の中には「それ意味ないだろ。テキトーなこと言ってるな。」みたいなケースの支援会社も多く、経験者自体のレベルも低い。
どの企業も即戦力となる人材を求める傾向があり、経験者ですらそのレベル。未経験者を採用するハードルは必然と高くなってしまう。
優秀な人材と低レベルの人材。この差が非常に多いというのがWebマーケターの実態だ。
Webマーケティングの名前だけが独り歩きして、転職希望者は多いが、実態が伴っていないという状況。一部の採用基準を満たせる人だけが、枠を独占しているような状態と言っても過言ではないのだ。
経験者といってもコストに見合うレベルになく、未経験はそもそもお話にならないレベルであることが多い。
Webマーケティングは求人の枠がそもそも少ない
一方で、Webマーケティング自体も求人数は少ない方だ。営業職やエンジニア、人事などと比べてWebマーケターは頭数を揃えれば良いという話ではない。
もちろん、施策の実行のためには人手は必要だが、マーケターが主導して、デザイナー、ライター、エンジニアに内容を伝えるようなケースが多い。
簡単にいえば、10人の凡人がいるより1人の天才がいた方が、圧倒的に効率が良いわけだ。
また、マーケ職は生成AIを使い始めるのも早い人が多く、比較的他の仕事より業務効率化も進んでいる。実際、数人の教育をするぐらいならAIと作った方が早いことも多い。
そのため、企業側は採用を枠を1人ぐらいしか設けておらず、競争率を激化させている。
コンサルなどの場合は、人数が売り上げに直結するため、数を募集していることもあるが、聞く話ではマーケターではなくただのフロント営業だ。
実際に施策を考えるわけではなく、ヒアリングをして一部の優秀な人に相談するという御用聞きの仕事であるというのが実態になる。「施策実行力」という意味では、事業会社では使い物にならない。
むしろ、独学でSNSのフォロワーを増やしたり、YouTubeやブログをやったり、といった経験の方が役に立つ。
このような背景からWebマーケターの募集枠はそんなに多く設けられていない。
Webマーケティング職は求められるレベルが高い
Webマーケティング職は結局のところ、多くの人が想像する職業像より圧倒的に求められるレベルが高いのが実情だ。
ここまでの内容をみたら分かると思うが、一般人の思うWebマーケティングの想像と実際の現場感覚でのWebマーケティングの現実が大きく乖離している。
言うなれば、ゲームって楽しいよね。ゲームエンジニアを目指そう!
しかし実態は、グラフィック・サウンド・ネットワーク・ゲームエンジン・数学・物理学など様々なジャンルのスキルが組み合わさっていてエンジニアの中でも最高難易度に難しいといったようなものだ。
Webマーケティングも1つのことができるだけでは、ほとんど役に立たない。
記事を作るだけでもSEOの知識、ライティング、画像作成、ユーザー心理、転職市場の情報、経験、情報収集能力など様々な知識やスキルが組み合わさってできている。
見ている側はそんなに難しく考えていないかもしれないが、実際に社内教育用のスキルマップを作ってみたらかなり膨大なスキルがだった。
ある種、私も「そりゃ未経験で何もやってこなかったらついてこれんわ」と実感するほどには様々なスキルがWebマーケティングの施策を支えている。
「今でもあれが足りない、これが足りない」と痛感するぐらいスキルの幅が広いのWebマーケターという職業だ。
未経験からWebマーケティング職に転職するのは無理なのか?
ここまでの話の中で心が折れてしまっているのであれば、Webマーケターは目指さない方がいい。
だが、絶対にWebマーケティング職に就きたいという方であれば、この先を読み進める価値はあるだろう。
1つの光明としてあなたに贈る言葉一言だ!
Webマーケティングが本当に好きならば、本やWebサイトで既に勉強を進めている。という事実を受け止めて欲しい。
かく言う私も未経験からWebマーケターに転職した身だ。
しかし、実際に転職して入ったところ、自分より知識や実践の経験がある人はほとんどいなかった。
これが未経験でも転職ができる理由になる。先にも説明したが、Webマーケターと一言で言ってもレベル差はハンパなく大きい。
あなたが先んじて勉強して、自分でWebサイトを立ち上げたり、SNS運用をしたりして結果を残しさえすれば企業に入るのは容易い。
この記事を読んでいるということは、実際どうするか悩んでいる段階ではないだろうか?
そんなことで悩んでいるより、さっさと自分でできそうなWebマーケティングの勉強や何かしら運用をやった方が適性が出るのも早くてあきらめもつく。
もし、かなり勉強していたり、実績があったりすれば面接で聞かれても自分の工夫を話せるし、努力も示せる。
クソ単純な話だが、Webマーケターになるなら努力が最も手っ取り早い方法だ。
これができるならあなたはWebマーケターになるのも難しくない。勝つまでやるか。それはあなた次第だ。
未経験からWebマーケティング職を目指すポイント
覚悟はできただろうか?では、ここから実戦的な話に移ってどうやってWebマーケティング職を目指すか伝授していこう。
独学で思考を身につける
Webマーケティングで最も重要なのは手法やテクニック論ではない。シンプルに考え方だ。
だから、まずは本を読むことをおすすめする。
有名なマーケターの本を読んで思考を自身にインストールするのが最も手っ取り早い。
こちらの方々の本をとりあえず1冊は買うことをおすすめする。
神田昌典さん、森岡毅さん、木下勝寿さん、西口一希さん、足立光さんの5名だ。書籍も数多く出版されているので、1冊でも良いから手に取って欲しい。
まずはここでマーケティングの思考を学ぶ。他にYouTubeやX(Twitter)などで情報収集をしてもいい。
Webマーケティングの本であえて言わせてもらうと、木下さんの「ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング」は必読と言っても過言ではない。
PCで見ているなら左が紙で、右が電子、スマホで見ているなら上が紙で、下が電子だ。
ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング [ 木下 勝寿 ] 価格:1980円 |
ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング【電子書籍】[ 木下勝寿 ] 価格:1980円 |
本気でWebマーケターを目指すなら本を1冊買うぐらいの話で躊躇していたら、もはやお話にならないので、秒で購入すること。
これは試合前の準備体操といっても良いぐらいの内容だ。ちなみに私は1週間に1冊は最低でも本を読むようにしている。
おすすめは電子ではなく、紙媒体での購入だ。実際に書店に行って手に取って購入してもいい。
自分で実践経験を積む
次にやるべきことは、ブログ、YouTube、SNSなんでもいいが、自分の好きなもので良いがとりあえず、「アフィリエイト」でも登録してお金を1円でも稼ぐことを目的にする。
WebマーケティングをするにしてもWeb上で物やサービスを売った経験のある人とない人では事業会社(自社サービスを広める)でも支援会社(いわゆる、運用代行やコンサル)でも提案できる幅が大きく異なる。
目的を持たずに実戦に移ってもただの自己満足でしかないため、未経験者は必ず何かしらの目的を持った方がいい。
最も分かりやすいのが「お金を稼ぐ」ということだから、今回はそのように設定している。
ちなみに私はすべてやったことがあるが、文章を書くのが好きなので、ブログをずっと続けている。おかげで月々のちょっとしたお小遣いがもらえている。
アフィリエイトの提携をするところを、ASP(アプリケーションサービスプロバイダー(Application Service Provider))というが、最大手の「A8」にとりあえず、登録しておけばだいたいのアフィリエイト広告は扱える。
提携するとこんな感じに広告バナーを貼ることができる。まずは、下に申し込めるようにボタンを設置しておいたので、登録しておこう。
ここまでできたら、あとは自分でやりたい媒体(A8を使うならブログかSNS)で収益を得られるように工夫していく。ここまでできて、ようやくスタートラインに立てた状態だ。
はっきり言ってここで実績を作ってしまえば、転職なんかはさほど難しい話ではない。
お小遣い稼ぎができて、損はしない。本気でWebマーケターを目指すなら最低限ここまではやろう。
(任意)マーケティングのスクールを利用
正直にいうと、私は別にマーケティングのスクールに行く必要はないと思っている。
事実、私はWebマーケティングのスクールなんかには行っていない。それまでにある程度の実績が作れてしまったからだ。
しかし、どれだけ頑張っても明後日の方向を向いてしまう人はいる。
そんな時の軌道修正としてWebマーケティングのスクールを活用すべきだ。
実際、採用でWebマーケティングのスクールに通った人を採用したことはあるが、はっきり言っててんで話にならないレベルだった。
だから、実践ありきで不明点をWebマーケティングスクールで解消するという使い方を私は推奨する。教えてもらうスタンスではなにも身に付かない。
だから、先に「自分でやってみる」を優先すべきなのだ。
学校の勉強もテスト問題を解くから取ったノートに価値が生まれて見直すことで効果が出る。資格取得も問題集を解いて教材を読んだ方が圧倒的に学習効率が良い。
受験勉強や資格取得の勉強をしたことがあれば、誰もが実感するところではないだろうか?
ここまでの事前に実行するベースができていれば、Webマーケティングなんかは正直どこでも良い。
ただ、Webマーケティングのスクールと言ってデザインをやらせているところもあるため、そこだけ注意しておく必要がある。
職業訓練校はLP制作みたいなのをやらせるところが多いので、普通にやめといた方がいいだろう。LPはマーケターをやってたら外注あるいは内政で作るが、意図を伝えられて構成案が作れればなんとでもなる。しかも、市場価値としてもそこまで高くない。
マーケティングスクールは別に登録する必要はないが、どうしてもという場合は申し込もう。無駄にお金がかかるし。笑
Webマーケティング職に転職するためのロードマップ
では、一度ここまでのHow Toをまとめておこう。やることは実に簡単だ。
- 書籍を購入してマーケターの思考をインストールする
- ブログ、YouTube、SNSなど自分の好きな媒体を選ぶ
- ブログ、SNSならASPに登録して1円でも稼ぐことを目標に行動する
- 実績が作れたら、転職でアピールすれば内定が取れる
- 実績が作れなければ仕方なしにマーケティングスクールを利用する
- 転職支援を受けて内定獲得のための戦略を練る
- 入社後は低レベルマーケターを抜き去り活躍する
マーケターの思考をインストールして実践。
PDCAを繰り返しながら実績を作っていく。次案として、何が良くなかったのかを探るためにWebマーケティングスクールを利用して改善を図る。
あとは自分がやってきた経緯をまとめて、履歴書・職務経歴書を作ったら、転職支援を利用して自分のスキルを磨ける職場へ転職をする。
ぶっちゃけいうと、この時点で御用聞きのマーケターもどきよりはレベルは高くなっているハズだ。そいつらをぶち抜いて、会社の中心に行っても良いが、転職して更なるキャリアアップを狙っても良いだろう。
Webマーケティング職になるのは難しいが、入ってからの競争は支援会社ならそこまで高くない。内定をゴールにせずに、その先を見据えて準備をしよう。
Webマーケターとして成長するためには?
ここまでやってWebマーケティング職に就いたのであれば、経営戦略とかの職種にいかない限りやめることはないと思うが、Webマーケティング職は早期でやめる人も多い仕事だ。
その理由は以下の3つだ。
- Webマーケティングの継続的な勉強を怠っている
- そもそもマーケティングの全体像が見えていない
- 毎日を勝手にルーティーン化して細かいPDCAをサボっている
Webマーケティングの世界は次々と新しい手法が出てくるので情報収集をしていないとおいていかれる。まあ、これはシンプルに努力不足。
もう1つよくあるのが、マーケティングの全体像が見えていなくて1つ1つの施策に意味を見出せないと勝手に勘違いするパターンだ。
だから、毎日同じように仕事をこなしてルーティーン化してしまう。
毎日同じような仕事をするのははっきり言ってすべての仕事がそうだ。ただ、PDCAを回して改善行動をしているかでしかない。
Webマーケティング職をすぐにやめてしまうのは、単純にビジネスパーソンとして自覚が足りないというのが私の意見だ。
これをいうと旧世代的などと言われるかもしれないが、事実、成長する人は同じことの繰り返しの中から最良の道につながるように努力しているに過ぎない。
私が言えるのは最終的に「成功するまでやれ!」ということだけだ。最終的は結局、あなたの覚悟感の表れてある。
最近よくいう話だが、Webマーケティング職で活躍するならマーケティングに魂を売るぐらいの気概は重要だ。